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藤村 卓; 早川 直宏; 栗山 将
J.Appl.Polym.Sci., 25, p.4085 - 4092, 1982/00
ポリエチレンの真空中における大線量照射の効果を、2回照射の方法で検討した。ポリエチレンをまず真空中、298°Kで数百Mrd、線照射した。生成したラジカルを消した後、化学的、物理的に変化したポリマーを真空中77°Kで再度12.7Mrd照射した。2回目の照射で生成したラジカルの熱処理による減衰を検討した。照射された試料中には多数の二重結合が生成される。この二重結合と2回目の照射によって生成したアルキルラジカルが反応してアリルラジカルが生成される。このアリルラジカルは真空中、298°Kでアルキルラジカルよりもはるかに安定である。大線量照射により生成した架橋はポリエチレンをより堅くする。この堅さはラジカルの減衰を遅くする。これらの結果から、照射されたポリエチレンにおけるラジカルの蓄積速度は、照射線量が増すに従って、増加することが示唆された。
藤村 卓; 早川 直宏; 栗山 将
J.Appl.Polym.Sci., 27, p.4093 - 4100, 1982/00
被引用回数:8 パーセンタイル:48.17(Polymer Science)ポリエチレン(PE)に対する空気中での大線量照射効果を、2回、放射線照射を行なうやり方で検討した。まずPEに空気中298°Kで線を2~300Mrad照射した。生成したラジカルを消滅させ、この一回目の大線量照射によって化学的及び物性的に変化したPEに、今度は真空中77°Kで12.7Mrad、線を照射した。この二回目の照射で生成したラジカルが試料を熱処理することにより減衰する挙動を調べた。この結果を、一回目の大線量照射をせず二回目の照射のみを行った試料におけるラジカルの減衰挙動と比較した。また本研究での結果を、先に報告した真空中で大線量照射し本研究と同様の手法で解析した結果とも比較した。その結果、空気中大線量照射によってPEが酸化され、これによってPEの主鎖が切断される。この主鎖切断によって2回目の照射によってできたラジカルの減衰は速くなる。また、真空中大線量照射と同じ位の量の二重結合が、空気中大線量照射によって生成することが明らかとなった。